女性同士のセックスに興味を持っているけれど、どんなことでも初めての時は勝手が分からないもの。あるいは、すでに女性の恋人やパートナーがいる場合には、二人のセックスをより良いものにしたいと思うことは当たり前のこと。自分も相手も気持ちよくなるためには、知識を蓄えておくことは不可欠!
そこで本記事では、知れば知るほど新たな楽しみを味わえる「レズビアンセックス」について、知っておくべきことを解説。<コスモポリタン アメリカ版>で性や恋愛などのテーマを手がけるライターのガブリエル・スミスさんが、専門家によるアドバイスを交えながらお届けします。
語り:ガブリエル・スミスさん
※本記事は、女性を自認する人同士でのセックスに関するアドバイスです。ここでの「女性」には、ヴァギナをもつ女性、ペニスをもつ女性も含まれます。筆者は女性の在り方を区別することなく、すべての女性を1人のクィアとして等しく尊重しています。この記事では、あなたとパートナー、二人にとってのベストなアドバイスを考慮しました。
安全なセックスを常に心がける
まずは、絶対に意識して欲しいもっとも大切なアドバイス、性感染症(STI)の感染予防について。
研究によれば、女性同士のセックスでは、指用コンドームなどの保護具がほとんど使われていないとのこと。ちなみに、アメリカ疾病予防管理センター(CDC)が推奨するSTIの検査サイクルは3カ月だそう。
相手のこれまでの性経験や、最後にテストを受けた時期の確認はもちろん重要。けれども、デンタルダム(オーラルセックス用に改良されたゴムのシート)を使って、口腔感染症対策もしておいたほうがいいでしょう。ゴムやビニールを舐めるのは抵抗を感じるかもしれませんが、一般的なSTIの中でも、ヒト・パピローマ・ウイルス(HPV)などに感染しないためには、この予防法が有効なのです。
「性感染症には、マスターベーションの見せ合いや、指、手から感染するものもあります」と説明するのは、公衆衛生専門家のジャニエル・ブライアンさん。
「感染の拡大を防ぐため、性的接触の前後には必ず、手や爪の内側まで洗うようにしてください。正式な用途ではありませんが、指サックを指用コンドームに代用してもいいでしょう」
爪に注意する
女性同士でセックスをするときには、「爪は伸ばさない」ことがエチケットの一つ。
もしもネイルを楽しみたいのなら、アクリルネイルやパウダーを使ったディップネイルであれば、「指の挿入あり」のセックスでも問題なく楽しめるはず。自然の爪より厚く、尖ってもいないので、相手をひっかくというようなリスクは少ないと考えられます。
たとえ自爪であっても、安全な形に整えておけば器用に動かすこともできますが、爪やひっかき傷のリスクを減らすにはどうすればいいかは、パートナーに直接相談しましょう。
そしてセックスをする前には、手や爪の内側を丁寧に洗って、清潔にしてください。パートナーの敏感な部分に細菌を近づけないことが、尿路感染症(UTI)や細菌感染症の予防につながるからです。
コミュニケーションは十分に
セックスについて、事前に必ずパートナーと話し合いましょう。経験の度合いを伝えたり(相手に何を期待しているかを互いに理解するため)、できることとできないことの境界線、興味のあることなどを打ち明けておきましょう。
レズビアンセックスのチェックポイント
- 一番期待しているのはどんなこと?
- 現時点で試したくないと思っていることは?
- 指の挿入を気持ち良いと思う?
- オーラルセックスは気持ち良いと思う?
- アナルセックスについてどう思う?
- クリトリス用のセックストイを使うのはあり? ストラップつきディルドは?
- セーフワードは何にする?
BDSMなどでも大切だと言われているのが、パートナーとの間での「セーフワード」を決めておくこと。どんな言葉でも良いので、演技ではなく本当にその行為を止めてほしいときに発しましょう。これでセーフラインを越えることなく、適度な快感を楽しめます。
最高のセックスに不可欠なのは、お互いが心から求め合えること。パートナーの気持ちを確認するため、力の入れ方はちょうどいいか、感じているかを常に自分から聞くようにしてみて。そうすることで、お互いが気持ち良くなれるはずです。
時間をかける
経験上、女性同士のセックスで最高なのは、典型的なフィニッシュがないということ。つまり、相手との時間を味わい続けられるということです。ゆっくりとセックスすれば「リラックスする余裕や、相手の体を深く知り得る時間が生まれます」と、ブライアンさんも頷きます。続けて、「かつてない経験」に対する不安をやわらげる一番の近道です、とも。さらに、スキルへの自信のつけ方を模索するヒントにもなるとのこと。
それから、セックスはけっしてオーガズムが目的というわけではないものの、時間をかければ、あなたもパートナーもオーガズムに達しやすくなるのは確か。「オーガズムを感じるには、時間をかけて外陰部に反復的な刺激を与えることが必要です。ゆっくりと刺激を強めるか、相手がやり方を変えてほしいと言うまで刺激を続けましょう」とブライアンさんはアドバイス。
ソロセックスを見せあうことから始める
相互マスターベーションは、セックスに移るもっとも簡単かつ、リスクの少ない方法というのが筆者の持論。もちろん、パートナーの前で気持ち良くソロセックスができるという前提ですが。
この方法は、どうすれば自分が気持ち良くなるかを知ってもらうだけでなく、どうすれば相手が気持ち良くなるかを知るチャンス。ほどよく時間が経ったら手を交換し、相手の触れていた部分に触れるようにしてみて。これで2人とも、驚くほどの快感を得られるはずです。
潤滑剤をたくさん使う
潤滑剤は、男女のセックスだけのものじゃありません。膣には“天然の潤滑剤”も備わっているけれど、潤滑剤を多めに使えばより安全性が高まり、不快な摩擦感もありません。
性教育者のターニャ・バスさんも、「デンタルダムと潤滑剤を併用することで、愛撫される側はより強い快感を得られます」とアドバイスしていたほど。
コンドームを使うなら、シリコンベースかウォーターベースの潤滑剤を。相手が信頼できる女性で、性感染症の検査が2人とも問題ないとわかっているなら、オイルベースのものを使ってみてもいいでしょう。ただし、オイルベースの潤滑剤はラテックスを溶かす心配があるため、絶対にコンドームと併用しないこと。
遠慮せずに休憩する
女性は男性と比べて、オーガズム後に刺激に反応しない不応期が短いと言われています。だから女性同士でセックスをする場合、これといったやめどきがないことがほとんど。
でも、できることとしなければならないことは別の話。水分を摂ったりハグ休憩を挟むのは大事だし、そうすることをおすすめします。体を充電、そしてリセットさせて、セックス以外のことにもエネルギーを使うべきです。
たとえセックスの途中であっても、自分の意思で好きなときに休んでいいということを覚えておきましょう。仮に相手からのプレッシャーを感じたとしても、なにかが「一区切り」するまで待ったりする必要はありません。
セックスは楽しむもの! この気持ちを忘れずに
パートナーに好かれたい、スキルを見せたいと思うのは確かに自然な感情です。でも、経験があるようなフリや素振りはしないこと。そういったことは、一緒に時間を過ごすうちにおのずとわかるものです。
初めてセックスするときに知っておきたいこと
- セックスは気持ち良いものだということ
- セックスはどこか奇妙なもの
- パートナーは決して、あなたの顔や声、体をジャッジするつもりはない
力を抜いてリラックスして。気負わずに、相手との時間を楽しみましょう♡
※この翻訳は、抄訳です。
Translation: Mari Watanabe(Office Miyazaki Inc.)