5月2日(現地時間)、アメリカの連邦最高裁判所の多数派意見の草稿で、人工妊娠中絶を憲法で保障された権利として認めた「ロー対ウェイド判決」を覆す内容が書かれていたとの報道があり、アメリカ全土でを揺るがしている「中絶の権利」。
各地では大規模な抗議活動が行われたり、SNSで多くの人が声を上げたりしています。そこで本記事では、これまで「中絶の権利」について言及してきたセレブたちの主張についてまとめてお届けします。
オリヴィア・ロドリゴ
若い世代から絶大な支持を誇る、歌手のオリヴィア・ロドリゴ。今年5月、最高裁判所があるワシントンD.C. で行われたコンサート中に想いを訴えました。
「私たちの身体は、決して政治家の思い通りになるべきではありません。みんなで声をあげて安全な中絶の権利を守りたい。この権利は多くの人たちが得るために努力してきたものなのだから」
シンシア・ニクソン
『セックス・アンド・ザ・シティ』のミランダ役で知られ、政治家としての顔も持つシンシア・ニクソン。1960年代に自身の母が「当時は違法だった中絶を受けた」ことについて言及し、その時に感じたことを<People>でコメント。
「中絶の権利、そして生殖の権利は、私にとって非常に重要なことです。私の母親は、ニューヨークではまだ合法となっていなかった頃に中絶を受けました」
「大人になってから教えてもらった話ですが、私に話すこと自体とてもハードルの高いことだったと思います」
「母は詳細を語りませんでしたが、中絶の経験を私に話すのは彼女にとっても大切なことだったと思います」
「当時は中絶が違法だったため、母は恐ろしい経験をしたようです。母はその過去を私に伝えることで、“生殖の自由”にどれだけ価値があるかを感じてほしかったんだと思います」
ジャミーラ・ジャミル
テレビの司会者で俳優、アクティビストでもあるジャミーラは2021年にInstagramで自らの過去の中絶経験を告白。中絶によって、人生が救われたと語りました。
「2種類の避妊法を行なったけれどどちらも失敗し、妊娠8週目で中絶しました。当時の私は精神的、身体的、感情的、経済的にも安定していなかったからです。そして何よりも、当時の私は子どもを望んでいませんでした。本来ならば、理由はそれだけで十分なはずです」
「この決断を後悔したことはありません。中絶を安全に利用できる国に住んでいたことへの安堵と感謝しかありませんでした。病院からも罪悪感を感じさせられることはありませんでした。彼らは、医療を提供してくれただけ。中絶とは、そういうものだからです」
「禁止にしても中絶はなくならず、特に恵まれない環境にある人から“安全な中絶”を奪うだけです」
ビリー・アイリッシュ
歌手のビリー・アイリッシュは<Variety>による取材に応えるかたちで、中絶禁止法について「信じられません。強い怒りを感じます」と回答。
「女性も、自分の言いたいことが言えて、したいことができて、自分が望む通りに生きることがでいるべきです。女性がどうやって生きるか、何をするか、周りが決める権利はありません」
「今回の件については、あまりにも怒りを感じているので、話しはじめたら止められません。言えるのは、男性が女性の選択を決めるべきではないということ。それだけです」
クリス・エヴァンス
2019年5月、Twitterで中絶禁止令に対して異議を唱えた、俳優のクリス・エヴァンス。それとともに、政治への参加の重要性を強調。
「信じられないことが起きています。ロー対ウェイド判決について、もっと人々は関心を持つべきです。だからこそ、投票は重要なんです」
ホールジー
ステージ上での流産経験を告白したこともある歌手のホールジーは、Twitterで中絶の権利について自身の考えを投稿。
「ロー対ウェイド判決が覆れば、身体の自己決定権と性と生殖に関する健康への壊滅的な変化になります。私たちは選挙人として、戦う権利と責任があるのです」
レディー・ガガ
2019年、アラバマ州で中絶を禁止する州法が制定された際に、歌手のレディー・ガガもTwitterを通してメッセージを発信。
「アラバマ州で中絶を禁止にすることに憤慨しています。レイプや合意のない性行為による望まない妊娠のケースについて考慮していないことが、より悪質だと感じます」
「さらには、中絶手術のために医療を提供する医師の方が、性暴力を行った加害者よりも厳しく罰せられる可能性があるということ? これは悲劇です。この制度によって苦しんでいるすべての女性と女の子のために祈ります」
エイミー・シューマー
プロチョイス(中絶権利擁護派)を主張し続けているコメディアンのエイミー・シューマー。自ら参加者の前に立ち、演説したことが話題に。
「最高裁判所は、間違った方向に向かっています。女性には、今以上に安全な中絶へのアクセスや自由、権利が必要です」
ジェニファー・ローレンス
2021年10月、妊娠中だった俳優のジェニファー・ローレンスも、エイミー・シューマーと共にウィメンズマーチへ。
「自分の身体に対する権利を女性自身が持てないなんて、自由な社会とは言えない」と書かれたプラカードを持って参加しました。
オリヴィア・マン
俳優のオリヴィア・マンはTwitterで、ハートビート法(胎児心拍が確認される妊娠6週間を過ぎた妊婦の人工妊娠中絶を禁止するもの)に反対する姿勢を表明。
「女性にも心拍があります。その女性自身の体をどうするか、他人が意見する権利はありません。以上」
ジョン・レジェンド
ミュージシャンのジョン・レジェンドも、2019年5月、ツイートを通して自らの考えを発信。
「州議会議事堂は全力で女性と女性の生殖の選択をなくそうとしています。この事態は酷すぎます」
※この翻訳は抄訳です。
Translation: Haruka Thiel
COSMOPOLITAN UK