※本記事は2021年10月7日にCosmopolitanで掲載されました。
ツイッターへの投稿を通じて、10万人を超えるフォロワーたちに自身の経験をシェアし大きな話題を集めていた、カナダの大学で心理学を教えていたイギリス出身のナディア・チャウドリ教授。
当初は「尿路感染症(UTI)」と診断された彼女は、自らの経験をツイートすることで、卵巣がんへの認識を高めたいと願っていた――。
教授が「体調がよくない」と気付いたのは、2020年1月。疲労感やかすかな腹痛、ひどい腰痛があり、さらに排尿の回数も増えていたそう。典型的なUTIの症状はなかったものの、UTIだと診断され、治療のために処方された抗生剤(抗菌薬)を服用していた。
だが、新型コロナウイルス感染症のパンデミックとなった3月には、腹部が膨張し、中程度の痛みが続くなど、状態が悪化。排便のパターンも変わり、便軟化剤を常用するように。パンデミックのために病院に行くことができず、疲労感は相当に強くなっていたが、教授はそれも、パンデミックのせいにしていたという。
それから1カ月ほどがたち、2回目の経腟超音波検査を受けた教授。卵巣が腫大していることが確認され、腹部に水もたまっていたことから、検査した放射線科医はこの時点で、「子宮内膜症」との診断を下した。
だが、症状について婦人科医に相談していた教授は、子宮内膜症について詳しい検査を受ける前に、医師の勧めに従い血液検査を受けることに。
卵巣がんと膵臓・胆管がん、大腸がんの疑いがないか調べるため、それぞれのマーカーである「CA125」と「CA19-9」、「CEA」を調べたところ、CA125の数値は、925U/mlにまで上昇していた(基準値は35U/ml)。
その後、改めて経腟超音波検査とCT検査を受けた教授は、進行期を診断するための開腹手術を受けた。がんはすでにかなり進行しており、手術は4時間に及んだという。この手術を受けたのは、2020年6月10日。教授が最初に体調不良を自覚してから、およそ6カ月後が経っていた。
化学療法や免疫療法、投薬治療を受けた教授は、しばらくは回復の兆しを見せていたよう。だが、2021年3月以降、何度も繰り返し腸閉塞を起こしたという教授は、必要なのは(治療ではなく)緩和ケアであると自ら判断。この頃には、「排便も放屁(おなら)もできず、食事もできません。2週間前から、点滴に頼っています」とツイートしていた。
チャウドリ教授はこうした自身の経験を公表することで、女性たちの認識を高めたかったとして、次のように投稿している。
「卵巣がんは、研究資金が不足しています。症状についての認識を高める必要もあります。早期発見が、予後(病気に関するその後の見通し)を劇的に改善させるからです」
「自分の体を知ること、疲労感や腸・尿路の状態の変化に注意を払うこと、そして健康診断の結果に書かれていることをきちんと理解することが重要です」「痛みや不快感を見過ごしてはいけません。専門医の診断を受けてください」
イギリスでは先ごろ、国民保健サービス(NHS)が、50種類以上のがんを発症前に特定できると考えられる血液検査の臨床試験を開始すると発表したばかり。
兆候や症状が現れるより前にがんの発見ができるようになれば、治療も可能になり、がんによる死者数も大幅に減らすことができると期待されている。
※この記事は、海外のサイトで掲載されたものの翻訳版です。データや研究結果はすべてオリジナル記事によるものです。
From COSMOPOLITAN UK