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Julija Kumpinovica / Getty ImagesFragment of female's body in underwear and red flying butterflies. Abstract illustration of woman's period or menopause
cosmopolitan

今からできる!20代の女性ホルモンとの上手な向き合い方って?

体の基本となるホルモン。今回は女性ホルモンとの付き合い方について、浜松町ハマサイトクリニックの吉形医師に教えてもらいました。大切な存在ということはわかっているけれど、わずらわしい生理や、心を乱されるPMSなど…振り回されることも多い女性ホルモンとの上手な付き合い方は?

女性ホルモンの分泌の仕組みって?

「女性ホルモンは卵巣から分泌されますが、その指示を行っているのは主に脳の視床下部と下垂体です。各器官がバランスを保ちながら分泌をしています。そのため、ストレスや過度なダイエットなどにより女性ホルモンの分泌も乱れ、自律神経や他のホルモンに影響を与えてしまい、体の不調に繋がることがあります」

女性ホルモンが乱れると…?

「例えば生理不順が起こり、それが長引くと不妊症にも繋がる可能性もあります。そして女性ホルモンが乱れることで、男性ホルモンが優位になりニキビができたり、体毛が濃くなるなどの現象も起こりやすくなります。

ただ、男性ホルモンが優位なうちはまだ体は元気な証拠です。一番危険なのは、痩せ過ぎている人。女性ホルモンも男性ホルモンも減少しているため、骨粗鬆症のリスクが高まり、血管が固くなったり、肌が乾燥してしまうというおそれがあります。ホルモンはバランスよく分泌されている状況が理想です」
 

女性ホルモンは20代半ばがピークって本当ですか?

「出産の適齢期が20代半ばが理想ということもあり、そういった認識を持たれているかもしれませんが、実は女性ホルモンの分泌は閉経まで減少することはありません。閉経までの加齢による女性ホルモンの変化というのは、分泌をするリズムや時期が変わり不安定になるということなんです」

20代での女性ホルモンとの向き合い方を教えてください。

「生理周期が順調ならば、40代前半までは女性ホルモンの分泌に大きな変化はありません。ただ、20、30代でホルモンが過剰に分泌されるがゆえのトラブルは辛いですね。代表的なのは、生理痛やPMSです。しかし、これらも女性ホルモンがきちんと分泌されている影響なので、一概に悪いものとは言えません。ただし、月経困難症や子宮内膜症など治療が必要な病気が隠れている場合もあるため、症状が強ければ婦人科を受診しましょう。

低用量ピルなどで、女性ホルモンの分泌を穏やかにし、ケアをすることで症状を緩和することもできます 」

20代と30代で、ホルモンケアに必要なことは?

「まずは排卵周期を知ることが大切です。生理周期を気にしている人もいますが、大切なのは排卵期。排卵することによって生理は訪れますから、排卵期を基本と考えましょう。

そのために必要なのは、基礎体温を測ること。自分の基礎体温の変化を知ることで、排卵の有無や時期を知ることができます。

そして、生理について知ることも大切です。①生理周期 ②何日間続くのか ③多い日の量 ④体調について(鎮痛剤をどれくらい飲んだか)など、この4点は記録するようにしましょう。今ではスマホアプリがあるので、活用するのもいいと思います。

このように排卵を記録することは、一見面倒に思うかもしれません。しかし、排卵期直前というのは女性が一番美しい時期でもあります。そのタイミングを知るというのは、ライフイベントをそのときに合わせることもできるので、実は楽しいことでもあるんです。自分のホルモンのリズムを知って、ホルモンマネジメントをすることは、生活が明るくエネルギッシュになることに繋がると思いますよ」

*ただし、低用量ピル内服中は排卵はお休みするため体温の変化がなくなります。

今後訪れる「プチ更年期」との付き合い方は?

プチ更年期も、ホルモン分泌のゆらぎから起こる変化です。卵巣も年齢とともにエイジングし、縮んでいきます。そのために、女性ホルモンをしっかり分泌させようと脳のホルモン分泌信号が強くなります。このような突然の変化に自律神経が乱れ体がパニックを起こしてしまい、更年期症状が少しずつ見えてくるのです。

ただし20、30代でのホルモンケアの仕方で更年期の症状も軽くなるので、まずは排卵周期の把握からはじめてみてください。自身の変化に早く気付けて、医療機関に相談できるので、心の準備や対処法なども早くから見出せるはずです」

女性ホルモンのバランスを整えるために、日々できる習慣を教えてください。

「まずタバコは絶対にダメです。副流煙も避けましょう。そして、自分の食べる物が、体をつくるということを意識しましょう。添加物はなるべく避けて、どの栄養素が不足しているのかなど、知っておくことが大切です。

女性が不足しがちな栄養素は、ビタミンE、タンパク質、鉄分。この3つは意識しないと摂りづらい栄養素ですね。タンパク質も様々な種類をバランスよく摂るようにしましょう。私は大豆食品や魚類全般、肉類であればビタミンBが多い豚肉や、高タンパク低カロリーな鶏肉をオススメしています。

ただし、大豆食品は手軽でいいですが、発酵食品から摂るのがオススメです。生に近い豆乳などは過剰摂取をすると体に負担がかかる食材なので注意が必要です」

ホルモンを整える、一番のメリットは?

自分の生活が穏やかになるということでしょう。妊娠の適齢期は20代半ばといわれていますが、現在の社会的適応期とはギャップがありますよね。社会的な目標と、出産のバランスはとても難しい問題です。しかし、ホルモンマネジメントができていると、20代半ばをすぎても、妊娠の確率を高めることができます。

また、妊娠を考えていない人も、ホルモンバランスは体をつくる上で、基本となります。排卵周期の把握や、生理周期の記録は自分自身が健康的で活発な生活をする上で重要なことだと思います。自分のホルモンバランスを知り、生活を豊かに過ごしてみましょう」


今回お話を伺ったのは…

産婦人科専門医・吉形 玲美(よしかた れみ)医師 

White, Skin, Smile, White-collar worker, Neck,

医学博士/日本産科婦人科学会 産婦人科専門医。東京女子医科大学医学部卒業。同大学産婦人科の臨床の現場で婦人科腫瘍手術をはじめ、産婦人科一般診療を手掛ける傍ら、女性医療・更年期医療の様々な臨床研究に携わる。女性予防医療を広めたいという思いから、2010年より浜松町ハマサイトクリニックに院長として着任。現在は同院婦人科専門医として診療のほか、多施設で予防医療研究に従事。更年期、妊活、生理不順など、ゆらぎやすい女性の身体のホルモンマネジメントを得意とする。

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