経口中絶薬を使用する場合、どのようなプロセスを経るのでしょうか。その安全性は?
経口中絶薬を使用する場合、どのようなプロセスを経るのでしょうか。その安全性は?
経口中絶薬による中絶を行う場合は、二種類の薬を順番に服用します。はじめに飲む薬が「ミフェプリストン」で、妊娠を継続するホルモンの働きを抑えて、妊娠の維持を阻止する役割をもっています。これは一錠飲みます。
その36~48時間後に「ミソプロストール」を4錠、口の中でゆっくりと溶かして服用します。
この薬は、子宮の収縮を促し、内容物を排出させる役割があります。医療機関で待機し、排出が完了したことが確認出来たら、中絶は終了となります。2薬目の投与後は4時間以内に60%ほど、8時間以内に90%程度が排出されると言われています。
中絶薬を飲むことで出血や子宮収縮による下腹部痛などが確認されているほか、胃腸障害、嘔吐や下痢なども一部で報告されています。重い腹痛や生理痛に近い痛みに対しては、現状では緩和のために痛み止めが処方されています。
日本では約95%の人が、2薬目の投与から24時間以内に中絶が完了していますが、まれに残留した内容物に菌が繁殖し、感染症につながる副作用が起こるリスクがあります。
中絶薬のみで中絶が完了しなかった場合は、掻爬法を用いた中絶手術によって内容物は取り除かれます。
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1985年東京大学医学部卒、医学博士。産婦人科医としての長年の経験をもとに女性のための包括的な健康支援の重要性を広く社会に訴えている。研究活動、教育活動にも力を入れており、多数の研究成果と優秀な産婦人科医の育成を通して日本の産婦人科医療の向上に努めている。多くの学会の役員、中央官庁委員としても女性の健康問題に取り組んでいる。2013年より現職。
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