「本当に自分に合うものを見つけるには、すぐに諦めて手放してしまうのではなく、自分の体とセッションしながら“すり合わせる”ことも大切」という美容家の吉川千明さんに、普段愛飲している漢方について伺います。
吉川千明さんの「マイ漢方」
●心の不安に……「当帰芍薬散(トウキシャクヤクサン)」
●喉の詰まりを感じ、眠れないときは……「半夏厚朴湯(ハンゲコウボクトウ)」
●頻尿気味のときには……「苓姜朮甘湯(リョウキョウジュツカントウ)」
「漢方を始めたきっかけは、冷えや倦怠感といった深刻な身体症状でしたが、服用によって漫然とした心の不安感が取り払われ、心と体がつながった感じがありました。
コロナ禍で気持ちが晴れないという人は、メンタルに効く漢方もたくさんあるので、これを機にぜひトライしてみてほしいです。
また、体も変化していますから、以前試してダメでも、別のドクターや別のお薬との出会いで、自分に合う漢方と出合えるかもしれません。
歳を重ねると心も体も不具合が増えてきますから、体調管理の頼りとなるものはひとつでも多く味方にしておきたいですよね。何事も、しっくりくるものを見つけるためには、心の柔軟性が大事かもしれません」と、吉川さん。
{体質改善&気になる症状をケアしています}
●婦人の3大漢方薬のひとつ「当帰芍薬散」を1日2回服用しています。冷え症や倦怠感、むくみだけでなく、心の不安感も取り除いてくれます。
●忙しい日々が続きストレスが重なると、喉が詰まったような感じに襲われて閉塞感で眠れなくなることが。そんなときには「半夏厚朴湯」を頓服的に服用。不安感を和らげるストレスケアの代表的漢方です。
●冷えたり疲れると、尿意切迫感や頻尿などの症状が。そんなときには、水分循環をよくし、気の巡りもよくするという「苓姜朮甘湯」を。
「+αの養生」として…… HRT(ホルモン補充療法)
漢方とHRTの両輪でケアしています。女性ホルモン低下による揺らぎを土台から安定させるのがHRT、まだ残るふらつきを支えるのが漢方、というイメージ。アプローチの違う2つを組み合わせています。
『婦人画報』2020年8月号より