※本記事は2023年10月17日にWomen's Healthで掲載されました。
1日に最低でも7時間の睡眠をとるべき理由はいろいろあるけれど、それでストレスが減り、活力がアップして、健康状態がよくなるという説明にイマイチ納得できない人も、この記事を読めば長く寝る気になるかもしれない。
近年の研究により、寝不足は男性の精子の質に直接影響することが分かっている。いま妊活をしている人や将来する可能性がある人にとっては大きな問題。しかも、この問題は1日寝だめしたくらいで解決するものじゃない。ここからは、これまでに分かっていることを1つずつ見ていこう。
研究結果
中国第三軍医大学の研究チームは、2013~2015年の2年間で796名の男性から回収した精液のサンプルを分析し、アンケートを用いて参加者1人ひとりの睡眠の質と長さを調べた。
その結果、1日の睡眠時間が6.5時間に満たないと精子が不安定になり、その質が約30%低下して、パートナーが妊娠する可能性も下がってしまうことが分かった。これは、寝不足がテストステロンの正常な分泌を妨げるからとされている。
ところが、この研究では参加者が寝すぎたときにも同様の結果が見られた。むしろ、1日9時間以上寝た人は精子の質が40%、つまり寝不足の人以上に悪かった。このような結果を受けて、この研究論文の共著者であるジャ・ソウは以下のように述べている。
「これは、1)睡眠の長さと2)精液の量および精子の量が逆U字型の関係にあるという過去の発見に続く新しい発見です。その過去の研究では、この2つのパラメーターは睡眠時間が7.0~7.5時間のときにもっとも高くなり、睡眠時間が長すぎたときも短すぎたときも低くなることが判明しました」
つまり、いつか子どもをつくりたいと思っているなら、適切な睡眠時間を確保するのはマストということ。
この研究結果は睡眠研究誌『Journal of Sleep Research』に掲載されました。
Text: Jenny Cook Translation: Ai Igamoto