※本記事は2023年3月1日にWomen's Healthで掲載されました。
国際女性デーもあり、女性を取り巻く問題について考えたい3月。ウィメンズヘルスでは多くの女性が悩みを抱えている生理について大特集。生理不順やPMS、生理痛について、詳しくご紹介していく。第1回目となる今回は、産婦人科医の高尾美穂先生に「産婦人科に行くタイミング」についてお話を伺った。
生理との向き合い方
はじめに、今回の生理特集を担当したエディターNANAの「生理との向き合い方」について。
「私は生理に無関心で、無知でした。ウィメンズへルスで働く前の私は、生理不順だったのにもかかわらず『3か月生理がこないのは当たり前、むしろ来ないほうが楽』と、気にせずに過ごしていました。
みなさんのなかにも子宮まわりのサインに気がついているけれど、『まぁ、大丈夫かな』と後回しにしてしまっている人もいるのではないでしょうか? 肌の切り傷や発熱は、まわりの人が気付いてくれることがあるけれど、子宮まわりのトラブルは、自分しか気付いてあげられません。
生理について学んだ今、医療も進歩し、生理用品の選択肢も広がっているからこそ、早めの対処がとても大事であることを日々感じています。私は、3ヶ月に1回、婦人科に通い、よもぎ蒸しをしたり、寝る前に小豆カイロで温めたり、生理用品を布ナプキンや吸水ショーツ、オーガニックナプキンに変えたり……。行動したことで、良い変化がありました。
生理不順の人、PMSや生理痛がひどい人、生理と向き合いたくないと悩んでいる人……。子宮まわりはとくに違和感を感じていても、我慢してしまっている人が多い気がしています。一度、産婦人科に行ってみると、もやっとしていたことがスッキリとするかもしれません。
そして、「生理」はタブー視されやすかったけれど、一人で抱え込む時代は終わり。お互いを思いやるためにも、パートナーや家族と生理について話し合ってみたり、友達に最新の生理用品をシェアしたりしてみてください。『You're so charming!』、生理と向き合うあなたはとっても魅力的です」(エディターNANA)
こういう症状の時は迷わず産婦人科にいこう!
産婦人科に行くべき症状には何があるのだろう。
(以下「」内、高尾美穂先生)
①おりものがひどい時
「多くは問題ないことが多いです。気になる状態が続く場合は、病院でおりものの検査を受けてみてください」
②不正出血があるとき
「生理期間以外の出血である不正出血は、体重の急増または急減、ピルをはじめて服用した時、ストレスなどによってホルモンバランスが乱れた時、子宮内膜症、ポリープなどの>子宮疾患がある時など、様々な理由で起きます。年代によっては更年期のための生理のばらつき、子宮体がんの可能性も否定できません。受診の際は、不正出血を認めた期間や実態を伝えられるようにしましょう」
③普段と経血の色が違うとき
「経血がいつもよりべとつく時、または色が茶色、朱色の場合は不正出血と考えてください。腟炎、子宮筋腫、子宮腺筋症などの疑いがあります。鮮血ではない場合は、少量の出血が一時的にあった、ととらえます。いずれにしても、婦人科への受診をオススメします」
④生理不順のとき
「生理不順は多嚢胞性卵巣症候群、ストレスによる排卵障害の他にも、甲状腺機能異常などの内分泌系疾患、脳下垂体腫瘍などが理由として考えられます。まずはご自身の生理を記録することからはじめましょう」
⑤生理痛が普段より激しいとき
「一般的な日常生活ができなくなるほど生理痛が重い場合は子宮腺筋症、子宮筋腫などの子宮の疾患や子宮内膜症をはじめ卵巣に問題がある可能性が高いです」
⑥排尿痛がある時
「排尿痛は膀胱炎が原因で生じる場合が多く、尿路結石の症状である可能性もあります。早期に治療すれば回復が早いですが、放置すると慢性になったり、骨盤炎、腎盂腎炎(じんうじんえん)に発展したりすることがあります。受診の際は頻尿、残尿感、血尿などの症状が伴っていないか、確認しておきましょう。泌尿器科への受診をおすすめします」
⑦胸の痛み
「PMS期間でもないのに乳房痛があったら、乳腺結節や乳がんの疑いがあるので、乳腺外科を必ず受診しましょう。乳腺炎や膿瘍ができている可能性もあります」
産婦人科に行くのは気が進まなくても、お困りであれば是非、早めの受診を。