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Women's Health

セックスが苦痛になる「膣痙(ちつけい)」って?

※本記事は2021年11月5日にWomen's Healthで掲載されました。

セックス中に痛みを感じる経験は悲しいことに割とよくあること。2017年のある研究では、イギリス人女性の10人に1人が、挿入時に痛みを感じることが判明し、中でも50-60歳代がもっとも影響が大きく、続いて16-24歳という結果だった。

性交疼痛症につながる要素はさまざまで、心理的なもの(性暴力や過去の不快な性的体験)から物理的なもの(子宮内膜症)があるが、中でも原因となりうる問題がある。それが膣痙(ちつけい)というもの。イギリス版ウィメンズヘルスより詳しく見ていこう。

膣痙(ちつけい)って何?

膣痙(ちつけい)は、不随意の筋肉が痙攣(けいれん)することにより、あらゆる類いの挿入が妨げられること。よって、挿入を行う性交以外にもタンポンを入れたり、子宮がん検診などでも起こりうる(中にはタンポンを挿入しようとすると、レンガの壁にぶつかるようだと言う人もいる。何も入る余地がないと感じてしまうそう)。

「膣痙(ちつけい)は、あらゆるものの膣への挿入の恐怖に対する体の無意識の反応です」と話すのは英国王立産科婦人科学会のスポークスパーソンで婦人科医のヴァネッサ・マッカイ医師。

「膣へ挿入しようとすると無意識に膣筋肉が収縮し、きつくなります。自分ではコントロールできず、痛みや苦しみを感じてしまいます」

当然、特に性的な関係となればこれによって口論になることもありうる。ただ、治療の成功率は95%というよい報告もある。この問題に対処するために知っておくべきことをご紹介。

膣痙(ちつけい)を起こす原因は?

膣痙(ちつけい)は複雑な心身の状態であり、正確な根本原因はわからないことが多い。

「膣痙(ちつけい)に関する明白な説明はありません」とマッカイ医師。「膣が小さすぎるという不安、初めての性経験が不快だった、診察で嫌な思いをした、セックスは恥ずべきあるいはいけない行為だと信じている、出産などによるトラウマ、人間関係の問題、妊娠への不安などに対する恐怖の結果かもしれません」

また、カンジダや皮膚の状態による痛み、長期にわたってストレス症状がある場合などにも起こりうるそう。症状の期間はさまざまで、慢性的なものと、状況によって生じるものがある。中には以前はセックスを楽しめていたにも関わらず膣痙(ちつけい)を経験する人もいるそう。

かかりやすいのはどんな人?

誰にでも可能性はあるそう。

けれども、Vaginismus Awareness によると、膣痙(ちつけい)の女性の53%は25-35歳で、医師の診療を受けている患者の53%は既婚者だそう。

膣痙(ちつけい)の症状は?

・挿入時の痛み(男性器、セックストイ、指、タンポン、その他あらゆるもの)
・膣に挿入されたときの灼熱感または刺すような感覚
・行為への恐怖からセックスを避けようとする
・性欲の喪失

慢性的に外陰部が痛む慢性外陰部痛の症状と、膣痙(ちつけい)の症状を混同しないようにする必要があるそう。

治療法は?

膣痙(ちつけい)かなと感じたら、専門家のアドバイスを求めよう。

「タンポンが入れにくかったり、膣への挿入がしにくかったり、セックス中にヒリヒリまたはチクチクした痛みを感じる場合は、病院を受診しましょう」とマッカイ医師。「医師が膣痙(ちつけい)と診断した場合には、セックスセラピストのような専門家をすすめることもあるかもしれません」

性的精神患者カウンセラーのキャロライン・コーワン氏は、「私は膣痙(ちつけい)を尊重します」と話す。「それは心の準備ができていない、安全だと感じていない、セックスにきちんと同意していないという体や自分自身の無意識の反応なのです」

「“痛いだろうな、準備できてないな、まだ十分濡れていないな、この人は信用してない、なぜまず前戯をしないんだろう”などと思いこみ、それが迷走神経を支配し、挿入する為に骨盤底筋を十分に弛緩(しかん)させる性的興奮サイクルを阻止してしまいます」

そのため膣痙(ちつけい)の治療は、通常挿入に対する感情をコントロールしたり、あらゆる恐怖心を緩和させること、徐々に挿入に慣れていくためのエクササイズに重点を置いて行われる。わずか2週間程度でよい効果が期待できるそう。

膣痙(ちつけい)をコントロールする5つの方法

1.リラクゼーションと五感のテクニック

「女性が再び自分の体に慣れ親しむための時間を与えることが大切です」と話すのは、理学療法士主導の骨盤キャンペーン「#pelvicroar」の共同設立者のマイラ・ロブソン氏。

「プレッシャーから離れるために、しばらくの間セックスはしないようにしましょう。そして、セクシャル・マッサージやタッチを試し、徐々に挿入を伴うセックスに戻っていきます」

また、同意の練習をしておくのも賢明。自分が3分間どんな風に触れられたいのかをパートナーに伝え(足をもむなど性的なものでなくてもOK)、次に相手に3分どのように触ってもらいたいかを尋ねる(背中のマッサージなど)。

「同意することによってエロティックに対しての準備ができ、興奮サイクルを活性化し、骨盤底にリラックスしてもよいことを伝えることができます」とコーワン氏。

2.性心理療法

「一番大切なのは問題の根本的原因を理解することです」と話すのは、人間関係のあらゆる悩みに対するサービスを提供するRelateにて、サービス品質及び臨床診療を統括するアマンダ・メジャー氏。「物理的に治療可能なのか、それとも感情的な反応なのか。実際に何が起きているか話してみることが非常に有益です」

「私たちは、心がどう感じるかによってさまざまな形で体が反応を起こす人間なのだということを理解しないといけません」

「例えば、ストレスを感じたり、パートナーに話を聞いてもらえないと感じていると、オーガズムに達することはより難しくなります。膣痙(ちつけい)のように、1人だけでなく相手にも影響を与えるような疾患の場合、話すことが極めて重要です」

3.骨盤底エクササイズ

何から始めればいいかわからない? ケーゲル体操で骨盤底を強化する初心者向けのやり方で挑戦してみよう。

4.膣トレーニング

「バイブレーターや柔らかくて、薄く曲げやすいシリコンのダイレーター(膣拡張器)を試してみましょう」とロブソン氏。「そういったものを使うのに慣れていき、痛みがなくできるようになったら、パートナーと同じことを行う自信ができるでしょう」

5.潤滑剤

「潤滑剤をダブルで試してみましょう」とロブソン氏。「オイルベースの潤滑剤をつけたら、その上にウォーターベースの潤滑剤を使います。この二つの組み合わせは効果的です」

また、女性の興奮サイクルは、男性よりも長いことを覚えておこう。特に長期的な関係の場合、すぐ物事が起こることを期待してはダメ。結局のところ、待っている人によいことが起こるのだ。

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※この記事は、イギリス版ウィメンズヘルスから翻訳されました。
 

Text: Emma Pritchard Translation: Asami Akiyama

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