※本記事は2023年5月4日にCosmopolitanで掲載されました。
なかなか語られづらい“産後のセックス”についての情報を探している人も少なくないはず。一方で、産後の体調は個人差があるもの。そこで本記事では、専門家による解説をまじえ、11人の出産経験者の体験談を<コスモポリタン イギリス版>からお届けします。
産後の性行為はいつから可能?
出産してから体が回復するまでに、数週間はかかります。だからこそ、産後のセックスについては、「自身の体とよく相談することがすべて」。こう語るのは、出産・育児メディア<Let’s Talk Birth and Baby>の運営メンバーであるルイーズ・ブロードブリッジさん。
「経腟分娩の場合は、赤ちゃんを産んだあと、セックスについて考え始めるタイミングに正解も不正解もありません。人によって感じることはそれぞれだし、出産の体験もさまざまだということを忘れないでください」
「産後数週間は出血が続く可能性が高いため、セックスをするのはそれがなくなってからです。また、痛みが消えるまでに数週間かかることもあり、相手と親密になりたいという気持ちが湧かないこともあるでしょう」
とはいえ、事前に準備できることもあるそう。ルイーズさんはパートナーと産後のセックスに関するお互いの境界線、期待、不安について話し合うことを勧めます。
「赤ちゃんが生まれる前に、パートナーと産後のセックスについて話し合ってみると良いかもしれません。再開のタイミングを決めるためではありません。それは、その時になってみないとわからないですからね」
「でも、お互いどう感じているかを話し合っておけば、その後、不安や懸念を打ち明けるための土台ができます。相手を傷つけることを恐れて、気持ちを再燃させることに少し不安を覚えるパートナーが多いことも忘れないでください」
また、イギリスの国民保健サービス(NHS)は、帝王切開後に関しては6週間ほど経過し、「準備ができたと感じられたとき」以降であれば、性行為をして良いとしています。
産後の性行為で気をつけたいこと
自分の体調が万全で、安全性が確保できることが大前提ですが、そのうえでセックスは必ずしも挿入を伴う必要はなく、自分の気持ちに応じて、さまざまなやり方で絆は深められることを覚えておきましょう。
「挿入なしでも相手と親密になることはできますし、代わりにできることを見つけることで、その後の行為への移行もスムーズかもしれません」
「すぐに平常運転に戻る必要はないですし、そのことについて考えるのにさえ数カ月かかるカップルも多いことを忘れないでください。自分にあまりプレッシャーをかけないように。そのタイミングが来たら、ちゃんとわかるはずです」
産後セックスの体験談
経腟分娩をしてからセックスを再開するまでにどれくらい時間がかかったか、そしてどう感じてそこから何を学んだか-- 女性たち11人の実体験を紹介します。
「3週目に挿入なしのオーラルセックスをしたけれど、挿入は6週間待ちました。安産で裂傷や出血は最小限でしたが、6週目に助産師さんから許可が出るまでは、そこに“何かを通す”という必要性を感じませんでした。3カ月が経ちセックスをするようにはなったけれど、頻度は前ほど多くありません。だって、そんな時間がありませんよ!」引用元
「3度の出産を経験しましたが、性行為を再開したのは約6~7週間後でした。母乳育児で性欲は減退してしまったし、そういう気分にはなれず。最初の3回くらいは痛みもあってそれなりに違和感もありましたが、その後はまた楽しめるようになりました」引用元
「7カ月くらいです。睡眠不足とホルモンの変化が凄まじくて、それまでセックスなんて頭をよぎりもしませんでした」 引用元
「初産では裂傷がかなり酷かったんです。肛門まで裂けないように会陰切開をしました。再開できるまでに9カ月くらいかかりましたが、それでも痛かったです。出産は恐ろしいと感じましたが、2人目を諦めるほどではありませんでした。2回目の出産は楽で、8週間後くらいにはセックスをしました」 引用元
「私の場合は2週間後くらいでした。ごく普通の合併症のない出産で、裂傷もトラブルもなく回復も早かったです。産後4週目くらいまで待つようアドバイスを受けましたが、2週目には心の準備ができていたので、2週目健診で医者に相談してみたところ、動きを緩やかにして、感染リスクを減らすためにコンドームを使えば問題ないと言われました。セックスはうまくいって、そこからはいつも通りでした。(もともと高かった)性欲は妊娠中も後も変わらなかったので、それを受け入れることも私にとっては大事なことでした」 引用元
「3、4週目くらいですでにムラムラしていましたが、6週目に医者のOKが出るまで待つことにしました。許可が出てから1、2日後に試したとき、耐え難いくらい痛くてすぐに止めました。それから2週間待ったら問題なくできました。出産は経腟分娩で裂傷はかなり軽く、合併症もありませんでした」 引用元
「今、産後6カ月ですが、まだ精神的に怖すぎます。身体的には問題なく、性的欲求もありますが本当に怖いです。脳が、出産時の痛みを挿入されるときのイメージに重ねてしまっているのかもしれません。パートナーは理解してくれていますが、どうすればこの状態から戻れるのかわかりません」 引用元
「産後1カ月で健診に行ったとき、内部の縫合が完全には治癒していないので、注意するように言われました。セックスは1カ月半くらい待つようにも言われていましたが、もう2週間あけて、合計2カ月待ちました。やっとセックスをしたときには違和感があり、2回目はやや痛みを感じ、その翌朝に少し出血していることに気付きました。夫に見てもらったら膣の後方、肛門に近いほうが赤みを帯びていたのでさらにもう少し待つことに。今では違和感なく、楽しんでいます」
「裂傷がひどいのに産後すぐに性行為をして、縫合した部分が開いてしまった女性を何人か見てきたと、看護師が話していたのを思い出してしまいます。そうなると縫合し直せないので、自然治癒に任せるしかなく数カ月かかるとのこと。私に気をつけてほしいからそう言っただけなのかもしれませんが。出産の経験は人それぞれなので、自分の体にとってベストのことをするのが大事だと思います」 引用元
「7週後でした。なぜ6週間ルールを軽く見る人がいるのか理解できません。産後の子宮は、言ってしまえば開いた傷なのに」 引用元
「2度の出産とも4週間後でした。助産師がOKサインを出すのを待って、出してくれたときは2人でとても喜びました。私の場合は裂傷も縫合施術もない出産でした」 引用元
「ほぼ1年待ちました…。セックスについて考えもしませんでした。産後うつや不安症状があったうえに、睡眠が全然足りなくて。一人の貴重な時間を寝ないで無駄にするなんて、何としてでも避けたかったんです。再びセックスをしたときは痛くて、彼は奥まで挿入できませんでしたね」引用元
※この翻訳は、抄訳です。
Translation: Kate Sawahara(Office Miyazaki Inc.)
COSMOPOLITAN UK